愛知学院大学 薬学部 医療薬学科

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第93回薬学セミナー

日時

平成29年8月2日(水)17:00~

場所

愛知学院大学 薬学部棟2階 204大講義室

演者

薬学部 薬用資源学講座 平居 貴生 准教授

演題

時計遺伝子と骨代謝

要旨

骨代謝には概日リズムが認められる。近年、遺伝子破壊個体の作出のアプローチなどによって、時計遺伝子Period1、Period2、およびBmal1の骨代謝への関与に関する知見が集積されつつあるが、骨代謝における時計遺伝子の機能的役割については不明な点が多く残されているのが現状である。

こうした状況下、骨芽細胞における交感神経シグナルは時計遺伝子Nfil3/E4BP4発現上昇を介して Bmp4遺伝子発現を制御することを既に報告した。

また、時計遺伝子Bmal1とRev-erbαは破骨細胞分化抑制因子osteoprotegerin発現の概日リズムを 制御することを明らかにしている。現在は、転写因子Nfil3/E4BP4に着目し、骨リモデリングにおけるNfil3/E4BP4の機能解析を行っているが、これまでの結果は、α1-アドレナリン受容体シグナルは転写抑制因子Nfil3/E4BP4の 発現上昇を介して骨形成を制御することを示唆する。

本セミナーでは骨代謝における時計遺伝子の生理的機能に関する最近の知見を報告すると同時に、現在の研究テーマの一つである「体内時計に作用する生薬の探索」について紹介したい。