研究分野について
本研究室では、生化学的な視点から、がん細胞の悪性化や骨代謝異常に関わる分子機構の解明を目指しています。特に、細胞表面を覆い細胞の顔ともいわれる“糖鎖”や、糖鎖を認識する糖結合性タンパク質である“ガレクチン”、さらにタンパク質に翻訳されずに機能する“ノンコーディングRNA”に着目し、細胞の増殖、分化、細胞間相互作用を制御する仕組みを解析しています。
また、得られた基礎的知見を基盤として、抗がん作用や骨代謝制御作用を示す低分子化合物、栄養素、生体内物質の探索にも取り組んでいます。これらの研究を通じて、疾患の理解と新たな治療戦略の創出につながる知見を得ることを目指しています。
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研究概要
がんおよび骨代謝におけるガレクチンの役割の研究
糖鎖は細胞表面を覆う重要な分子群であり、細胞同士の相互作用や、細胞が周囲の環境を認識する仕組みに深く関わっています。ガレクチンは糖鎖を認識して結合する糖結合性タンパク質であり、がん、免疫、炎症、骨代謝など、さまざまな生命現象や疾患に関与することが知られています。 本研究室では、特にガレクチン-1に着目し、がん細胞の増殖や遊走、腫瘍微小環境における細胞間相互作用に与える影響について研究を進めています。また、骨代謝においては、破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成のバランスが重要であり、このバランスの破綻は骨粗しょう症やフレイルなどの原因となります。これまでに、ガレクチン-1が破骨細胞分化を抑制することを明らかにしており、現在はその分子機構や、破骨細胞表面に存在するガレクチン-1リガンドの同定を目指しています。 これらの研究を通じて、糖鎖とガレクチンを介したがん悪性化や骨代謝制御の仕組みを明らかにし、新たな疾患制御法の基盤となる知見を得ることを目指しています
実験とデータ解析によるがん悪性化分子の探索
がん細胞は、遺伝子変異・遺伝子発現・核酸やタンパク質の修飾など、様々な細胞内分子の変化に伴い、正常状態から逸脱した"がんの悪性形質"を獲得します。 本研究室では、がん細胞やがん患者で異常をもつ遺伝子やノンコーディングRNAに注目し、がん細胞における機能を解析しています。実験レベルだけでなく、公共データや情報解析を通じて、がんの発生や進展に関わる分子を探索し、実験によってその役割を検証する研究を進めています。また、がんの発生や進展に関わる分子の一部は、進化的にも保存さていることが知られており、これら分子の機能解明は生命を構成する分子基盤を読み解く可能性があると考えています。 がんで変化する分子を、機能や発現量だけでなく、進化的重要性という視点から捉えることにより、がんの進展を支える重要な分子を見いだし、がんの本質的な理解と新しい治療標的の探索を進めています。
がんおよび骨代謝を制御する化合物の探索
がんや骨粗しょう症などの疾患では、細胞の増殖、分化、細胞死、細胞間相互作用などの異常が重要な役割を果たします。これらの細胞機能を制御する低分子化合物、栄養素、生体内物質の理解と探索は、疾患機構の解明だけでなく、新たな治療薬開発の出発点としても重要です。 本研究室では、抗がん作用や骨代謝制御作用を示す低分子化合物、栄養素、生体内物質に着目し、疾患に関わる細胞機能を制御する分子の探索を進めています。候補分子については、がん細胞の増殖・細胞死・細胞周期への影響や、破骨細胞分化・骨吸収への影響を解析し、その作用メカニズムの解明に取り組んでいます。 これらの研究を通じて、がんや骨代謝異常に関わる細胞機能を制御する化合物や生体内物質を見出し、創薬研究や疾患治療につながる基礎的知見を得ることを目指しています。
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2023年度卒業生(生体機能化学)

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