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第103回薬学セミナー

日時

令和2年2月5日(水)17:00~

場所

愛知学院大学 薬学部棟2階 204大講義室

演者

薬学部 臨床薬剤学講座 河原 昌美 教授

演題

薬学知識と科学者の視点が 臨床の課題を解決してチーム医療に貢献する

要旨

医療の高度化、複雑化が進む中、薬剤師の仕事は、調剤や医薬品情報の提供から、臨床での薬物療法全般への科学的根拠に基づいた薬学的介入へと変化してきました。医薬品は、開発の段階では、ごく限られた母集団に投与され、厳密なプロトコールに基づいて投与試験が行われるため、発売後に未知の問題に遭遇することも多く、科学的視野に立って、原因を解明し、その成果を公表し、臨床のエビデンスの蓄積につなげることが望まれます。生理学的モデルを用いた薬物体内動態の研究を通して、体内での薬物の動きをモデル化した経験が、臨床での薬物治療モニタリングに活かされ、骨肉腫に対するカフェイン併用化学療法では、カフェインのモニタリング、抗腫瘍効果増強に関する検証を通して、多くの患者の治療に関与することができました。カフェインは不思議な性質を持っており、今後の研究の発展が期待されます。これからの薬剤師は、専門的知識を身に着け、臨床の課題を解決し、チーム医療に貢献することが望まれています。そのためには、薬学部で学んだことが大きな基礎力となると思います。薬学を卒業したあと、さらに成長していく姿勢をもった薬剤師を育成していきたいと考えています。