第40回 薬学セミナー

日時 平成22年5月19日(水)17:00~18:00
場所 薬学部棟 2階 大講義室(206)
演者 薬学部 薬効解析学講座 波多野紀行 講師
演題 TRP channel ~環境センサーとしての役割~
内容  興奮性細胞に比べて非興奮性細胞における細胞外からのCa2+流入機構は、その細胞種、刺激により多種多様であり、Ca2+流入経路の分子実体は長らく未解明であった。しかしながら、1989年transient receptor potential(TRP)チャネルがショウジョウバエの光受容応答変異株の原因遺伝子として同定されて以来、数多くの非興奮性細胞におけるCa2+流入機構およびその分子実体が解き明かされてきた。
 TRPチャネルの大きな特徴として生体内化学物質だけでなく、温度変化、機械刺激、酸化ストレス、pH変化、浸透圧変化、細胞内Ca2+濃度変化、電位変化等、非常に多岐にわたる刺激を感知し、活性化する点が挙げられる。また、多くのTRPチャネルは複数の刺激により活性化する性質を示す。このため、TRPチャネルは細胞における環境センサーとしての役割を果たすと考えられている。
本セミナーでは、薬効解析学講座においてこれまでに行ってきた非興奮性細胞におけるTRPチャネルの機能および発現解析に関する研究成果について報告する。我々は現在までに浸透圧変化、機械刺激、あるいはアラキドン酸代謝物等により活性化することが知られているvanilloid type 4 TRP(TRPV4)チャネルが心線維芽細胞、脳毛細血管内皮細胞、滑膜細胞において機能的に発現していることを明らかにしてきた。本セミナーではこれらの内容を中心に紹介する。
学生および教員皆様の御来聴を歓迎します。

愛知学院大学薬学部医療薬学科
名古屋市千種区楠元町1-100
問い合わせ先:薬学部教務委員会(担当:佐藤、連絡先:内線2300)

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