研究内容

細菌と疾患の毒素を介した関係を探る

細菌毒素の新規生物活性の同定

黄色ブドウ球菌が産生する多彩な毒素を産生の中には,未だ機能が明らかでないものや,機能既知であっても新たな生物活性を持つ可能性があるものが存在する.本講座では生体試料より毒素標的分子を単離する生化学的手法と免疫細胞に対する毒素の作用を解析する細胞生物学的手法を組み合わせ,毒素の新たな生物活性と病理学的役割を明らかにする.

核酸医薬の創製

一本鎖核酸は配列固有の立体構造を形成し,特定の標的分子に高い特異で結合する核酸アプタマーを選択できる.本講座では,免疫をかく乱する毒素を標的とした核酸アプタマーを創製し,臨床検査や治療に応用する研究を行っている.

がんの新たな治療標的を探る

免疫調節薬の感受性・耐性化制御機序の解明

免疫調節薬(Immunomodulatory drugs: IMiDs)は,抗体産生を担う形質細胞由来のがんである多発性骨髄腫の標準治療薬として用いられる.しかし,長期投与により薬剤耐性を獲得し難治化することが問題となっている.本講座では,骨髄腫細胞で活性化している代謝応答が,免疫調節薬の感受性制御にどのように寄与するか,多発性骨髄腫細胞や免疫細胞を用いた生化学的解析により明らかにする.

卒業研究テーマ一覧(2025年度)