研究分野について
生化学とは「化学的手段によって生命現象を解明する学問。言い換えれば生物体がどんな物質から成り立っているか、それらの物質がいかにして合成され分解されるか、これらの化学物質が生体システムの中でどんな機能を営んでいるかを究明する科学の一分野」(東京化学同人、生化学辞典第4版、“生化学”の項目より抜粋)です。近年、研究解析技術の発展により、極めて高い解像度で生命科学の研究を行うことが可能となりました。
その過程で、細胞の生存・増殖・分化さらに周囲の環境への適切な適応のためには、様々な分子が協調して働いていること、それらの変調が各種疾患の原因になりうること、がわかってきました。本研究室では、特に、細胞表面を覆い細胞の顔ともいわれる“糖鎖”の役割や、タンパク質に翻訳されずに機能する”ノンコーディングRNA”のはたらきに着目して、がん、骨粗しょう症、感染症などの各種疾患の原因となる分子機構の同定を目指しています。
研究概要
ヒト癌細胞の悪性化に関わる糖鎖やRNAの研究
ヒトの正常細胞が遺伝子変異を蓄積することにより癌細胞は発生します。遺伝子の変異は、癌細胞の増殖や浸潤、転移などの癌細胞の悪性化に大きく影響します。我々はこれまでに、癌細胞で発現変動する遺伝子に注目して研究を進め、近年では、癌悪性化におけるメチル化修飾酵素METTL9の機能を明らかにしていています。現在は、機能性ノンコーディングRNAのうちマイクロRNAの機能に注目するとともに、多くの癌細胞で高発現している分子の一つとして糖鎖結合性タンパク質ガレクチン-1に注目し、癌細胞の悪性化の分子機構とこれら分子の癌治療の標的候補として有用性について研究を進めています。
破骨細胞と骨代謝における糖鎖関連分子のはたらきの研究
骨代謝は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成のバランスにより調節されており、このバランスの破綻は骨粗しょう症やフレイルの原因となります。我々はこれまでに糖鎖結合性タンパク質ガレクチン-1が破骨細胞分化を抑制することや、骨インプラントに用いられるキトサンの分解物であるグルコサミンやキトサンオリゴサッカライドが破骨細胞分化に対して抑制的に働くことを明らかにしています。現在は、それらによる破骨細胞分化の制御メカニズムや、それらの骨芽細胞への影響に着目して研究を進めています。
生物間相互作用における糖鎖および糖結合性タンパク質の役割に関する研究
細胞表面を覆う糖鎖の構造は生物種によって異なっており、それが、細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体と宿主との相互作用に関わることが知られています。我々は寄生虫特異的な糖鎖構造を発見するとともに、宿主の糖結合性タンパク質が寄生虫感染に抑制的に働く可能性の検証を進めてきました。現在は病原体由来の糖結合性タンパク質が宿主の細胞や免疫系に与える影響についても、研究を進めています。
ギャラリー
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2023年度卒業生(生体機能化学)

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2022年度卒業生(生体機能化学)

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