薬品物理化学T

科目名 薬品物理化学T
開講学科 医療薬学科
部門 専門科目
開講種別 春学期
対象学年 2学年
担当者 山本 浩充【製剤学】
単位数 1単位
曜日・時限1 水曜日2時限

授業の概要
(目標)
物理化学は化学物質の構造、物性、反応の相互関係・作用を対象とする学問である。物質が体内に吸収され、生理的活性作用を示すときにも、上記物理化学的性質が深く関わっている。したがって、物質の物理化学的性質の基本的性質を習得することは、物理系薬学、生物系薬学、有機系薬学をはじめとする基礎薬学全般にわたって極めて重要である。基礎熱力学とエネルギー、化学平衡と自由エネルギーとの関係、自発過程と自発変化の方向、温度、圧力変化に伴う物質の状態変化等について学ぶ。また、注射剤などの医薬品製剤とも関係する浸透圧、注射剤と体液の浸透圧を合わせる等張化の意義とその手法などを物理化学的観点から理解する。
授業の内容・スケジュール 1.物理化学は、物質の性質、反応、構造の相互間の関係を包括的に理解するために重要な分野であり、その考え方を説明できる。物理化学を受講するにあたって必要となる基礎知識を身につける。
2.気体の分子運動論、ニュートンの運動方程式、分子の運動速度の分布について理解する
3.熱力学の基本的概念、系について、また運動エネルギーとポテンシャルエネルギーについて理解する
4.内部エネルギーとエンタルピー、エントロピーの定義、熱力学第一法則を理解し、説明できる。
5.エントロピーの概念を把握するとともに、エントロピーの定量的表現方法を学ぶ。自発的変化の方向を熱力学第二法則で説明できる。熱力学第三法則について説明できる。
6.自由エネルギーと化学ポテンシャルの概念、反応の自発変化の方向を説明できる。
7.ギブズ自由エネルギーの観点から化学平衡について学ぶ。また、平行定数と温度の関係について説明できる。
8.分子間相互作用の種類を列挙し、説明できる
9.1成分系での気相、液相、固相間の平行について理解し、説明できる。相変化に伴う熱の移動について説明できる。
10. 1成分系での気相、液相、固相間の平行について理解し、説明できる。相律について説明できる。
11. 溶液の性質:理想溶液・非理想溶液について説明できる。ラウールの法則、ヘンリーの法則が説明できる。
12. 束一的性質1:希薄溶液における束一性とはどのような性質か、また、蒸気圧降下、沸点上昇、蒸気圧降下が生じる理由を説明できる。
13.束一的性質2:束一性のうち、浸透圧が生じる理由を説明できる。等張化の意味等について説明できる。
評価方法(基準等) 定期試験 (70%)  中間試験 (30%)
テキスト・参考文献 教科書:Innovated 物理化学大義(京都廣川書店)参考書:エピソード物理化学(京都廣川書店)、最新 薬剤学(廣川書店)、薬剤学(丸善)
適宜、関連ハンドアウトを配布
備考